エッセイのページ

トップモデル、休業宣言!?

 我がホームページのオンリーワントップモデル ナナ嬢が、最近まったくやる気無し。夏用に着替えたといえども、愛用の毛皮を肌身離さず着込み、あらわもない格好で昼寝だ。
「貴方は女の子でしょ? お股なんか広げていけませんっ!」と、注意しても反応無し。
食っちゃ寝 食っちゃ寝三昧で、モデルには致命傷のお腹の皮のだぶつきが気になる。
「あんたは何を考えて生きてるん?」と、問えば、「な〜んにも」と言う。愛猫『ナナ』の事である。

 無防備な、大の字になっての昼寝姿がこれまた可愛いいいので、つい、ちょっかいを出してしまう。「はりつけの刑に処す」と、両手両足をもっと大の字に伸ばして、フカフカのお腹を何度もすりすりするもんだから、「ほっといて!」と、うるさがられる。
時には、顔を抱えたようなしぐさの寝姿があんまり愛らしいので、急いでカメラを向けると、御愛想にチラっと片目を開けるだけで、ぷいと横を向いてしまう。
「どういう事っ!」「ご飯も、トイレ掃除もしてあげてるでしょ?」「私は召使?」
「・・・・   」

 おかしい。絶対に変だ。暑さだけのせいではないようだ。
いつもだったら猫パンチがとんできて、ボクシング遊びに発展するのに・・・。
そして、脱兎の如く部屋中を駆け周り、お決まりの『お尻たたいて頂戴場所』で、耳をピタッと後ろに構え、目をキランキランに輝かせて私が追いかけて来るのを待ち構えているはずだ。
「うわ〜お〜」と、ナナ。猫の鳴き声ではない!
「ぐわあ〜お〜」と、私は両手でナナに襲いかかり、お尻ピンピンすると、もっとやって頂戴とせがむ。
その内に、彼女は興奮して本気で爪をたてるので、「止〜めた」と言うと、どうだっ!と、ばかりにソファの角にぶら下がって猫キックでアピールをする。
「これっ!」の声に大喜びをして、又、リピートだ。「お前さん達はいい遊び相手だな」と、主人が笑う。

 うん? そうか・・・ナナ嬢が大好きな我が夫が今、居ないんだ。留守なのだ!
いつも腕枕で寝る、愛しの君が居なくて寂しいからだって? そうだったのか・・・。
只今主人は、糖尿病治療のために入院中で、病室を訪れるたびに「ナナは?」と、聞く。明らかに、「恋しがってるよ」の、答えを期待しての質問だ。
「食っちゃ寝 食っちゃ寝三昧で堕落気味っ」と、私は答えておく。
寂しそうで、様子がおかしい・・な〜んて口が裂けても言えない。「早く退院したい」と、ウルウルするにきまっているから。『以心伝心』とは、この事なんだろうか?

もうすぐ涼しくなるだろう。主人も退院するだろう。ナナ嬢も元気になる事だろう。復活宣言!?も間近だ。

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