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エッセイのページジュンコの留学奮闘記(9)
☆ メリークリスマス ☆ ミネソタ州では今年も大雪に見舞われ、気温はマイナス18度。収穫の終わったコーンフィールドは、分厚い白銀で覆われ果てしなくどこまでも続いている。 冬の間は学校のスポーツクラブも休部となり、まったく何もすることがない。そんな中、クリスマスは冬の大イベントで、どこの家庭でもいかに過ごそうかと準備に大わらわだ。 タミーの家でも、クリスマスツリー用に裏庭から切り取ってきた天井に届きそうな大きなモミの木に、宗教的な小物、手作りの人形や旅先で買った民芸品などを、二日がかりで飾りつけ、外から良く見えるように窓際に置いた。窓ガラスにはスプレーでサンタやスノーマンの絵を描いた。 ジュンコは、クリスマスツリーを飾るなんて、子供の時以来久しぶりのことだったので興奮した。 外に出て見てみると、金モールの光が部屋の明かりを反射してキラキラと輝き、村じゅうの家々からも冬のほたるの乱舞が見られ、それはまるでおとぎ話の世界に居るようだった。 タミーの親族では、毎年、クリスマスプレゼントの交換大会がされており、誰が誰へ贈るかは事前にくじ引きで決める。 ジュンコは、いとこの子供でダニエルという、一歳になったばかりの男の子にあげることになった。 さて、クリスマスの日。それぞれが、それぞれへの思いを込めて自分でラッピングをしたプレゼントと、七面鳥、ジェロ、タミーのMom 特製のビーハイブケーキなどなどの得意な料理を一品づつ持ち寄って、親戚中がグランドペアレンツの家に集まった。 パーティーが最高潮に盛り上がった時、突然、パッと電気が消えた。一瞬シーンとなり次の瞬間、”Junko! Merry Christmas!! "と、ジュンコの目の前には次々と出されるクリスマスギフトで山となった。 ジュンコがミネソタの人々の温かい心に触れて大感激したことは言うまでもない。そして伝統的な行事を慈しみ、人との触れ合いを大切にしているタミーの家族を通して、本当のアメリカを見たような気がした。 つづく |
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